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  • 執筆者の写真秋月 十和

『おおむら人物伝 石井筆子』


まずは、長崎新聞社様協力・長崎県大村市発行の『おおむら人物伝 石井筆子』について。

ご縁があり、漫画を担当させていただきました。


恥ずかしながら不勉強で、お話をいただくまで石井筆子さんという方のことは存じ上げなかったのですが…資料を見せていただいているうちに、何故こんな優秀な人の知名度がこんなに低いのか、不思議を通り越して憤りを感じるようになりました。

資料さえ、なかなか入手が困難な有様で…。


筆子さんは生まれながらの才と、環境と美貌に恵まれていました。

幼少期から英語を学び、明治皇后様の命でヨーロッパに留学、帰国後は鹿鳴館の華と言われ外国要人の接待を務め、女学校の校長を務め、父は明治政府高官、幕末は坂本龍馬とも関り、周囲には、渋沢歌子(渋沢栄一の娘)、勝海舟、津田梅子…と錚々たる人物たちに囲まれていたのです。

晩年は障がい者教育に力を注ぎ、日本初の障がい者施設「滝乃川学園」の経営にも尽力されました。

エピソードを挙げていたら本が一冊描けてしまうわけですが(むしろ一冊では足りず…泣く泣く削ったエピソードが沢山ありました)、そんな輝かしい境遇の筆子さんの運命は、政略結婚を機に軌道が変わってしまったのです。

どちらが良かったかとは一概には言えませんし、最初の結婚相手の小鹿島果さんは悪い人ではなかったようですが、やはりその後のご苦労を考えると…。


なにが幸せかは本人にしかわからないことですし、筆子先生は後悔はしていないかもしれません。

でも凡人の私としては、才能あふれる人が、苦労の多い人生を歩まれ、その生涯が後の世にあまり伝えられていないことが勿体なく思えてしまうのです。


お借りした資料の中にあったDVD『筆子・その愛ー天使のピアノー』という筆子さんの生涯を描いた映画では、常盤貴子さんが筆子役を、父・渡辺清は加藤剛さん、渋沢栄一は平泉成さんなど、豪華キャストが演じられていました。

でも今は入手も困難なんですよね…。

ドラマ化を希望というニュースもありますし、実現したら嬉しいな…広く知ってもらえるきっかけになったらいいなと思います。



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